突き刺すような日差し…、不快極まりない湿度…、全身にまとわりつきそうな汗…。
夏は黙っていてもエネルギーを消費しそうな季節です。しかし、夏バテする方がいる一方で、「夏太り」する方が少なくないのも事実です。
昼はもちろん、夜もサウナにいるような毎日。こんなにキツイのになぜ太ってしまうのでしょうか。今回は夏太りする理由と対策についてお伝えします。
1.汗はかくけれど…
少し動けば汗が吹き出す季節です。黙っていても暑さの中にいたり、日差しを少し受けるだけで疲労感を感じます。しかし、実際はそれほど動いていない季節です。
過ごしやすい季節ならウォーキングや自転車で出かける距離のところでも、夏場はつい車を使ったり、出かけること自体をやめてしまいます。総じて運動量が少なくなるのです。
動いていないので血行は滞りがち。クーラーが効いた部屋に閉じこもっていると、排出されない水分がむくみの原因となり、老廃物の排出も機能しません。運動しないことで筋肉が落ちやすいというデメリットもあります。
2.夏は代謝が落ちる
体内にある、または食事等で取得したエネルギーを有効活用することが「代謝」です。何もしなくても人間の生命維持のためにエネルギーを取り込み使われることが「基礎代謝」で、古い細胞や老廃物を新しいものと交換していくことが「新陳代謝」となります。
基礎代謝の一つの機能に「体温を保つ」というものがあります。寒い冬は体温が落ちがちになるので、エネルギー源を燃焼することで体温をキープできるのです。つまり何もしなくてもカロリー消費がある程度行われるということになります。
しかし、暑い夏はエネルギーを消費しなくても、人体は体温をキープしやすいのです。運動量も落ち、部屋に閉じこもったままではエネルギーを溜め込む一方となります。
冬のほうがダイエットに効果的な理由については以下の記事を参考になさってください。
冬ダイエットは効果絶大!無理なくラクして正月ヤセ実現3つの方法
3.夏バテ防止で食べてしまう
夏太りしがちな人は食べる理由を作ってしまいます。「夏バテ防止にしっかり食べておこう!」などと言うものです。さらにこの季節は高カロリーなものが美味しく感じられます。
・唐揚げ、串揚げ、ポテトフライ、アメリカンドッグなどの揚げ物
・焼き鳥、たこ焼き、焼きそば、お好み焼き、ピザなどの縁日屋台料理
・BBQ、焼き肉、ステーキなどの肉料理
・ビール、カクテルなどの高カロリーアルコール飲料
・コーラ、サイダー、ラムネなどのジュース
・わた飴、たい焼き、かき氷、アイスクリームなどの甘味
このような食事を多くとっていると痩せる理由は全くないことがおわかりいただけると思います。
・うなぎ
江戸時代のように食生活にタンパク質の選択肢が少ない時代ならまだしも、現代では日常の食生活で十分「精はついている」と思われます。
・そうめん、ひやむぎ、冷やしうどん
暑い夏には打ってつけですが、消化吸収が良いので、脂肪となりやすい側面があります。GI値が高いので、すぐカロリーとして体内に取り込まれるのです。
また、例えばそうめんは茹でる前は少量な感じがして(もしくは貰い物で大量にストックしてしまい)、つい2人前以上茹でてしまい、結局全部食べてしまうようなことはありませんか?
スイカは優れたフルーツだが利尿作用に注意 トップ画像のふくよかな女性はスイカを食べていますが、実はスイカは低カロリーで100gあたり37kcalしかありません。90%が水分で、水分補給になるほか、塩分を排出するカリウム、手足のむくみを予防するシトルリンというアミノ酸が含まれています。しかしシトルリンには利尿作用があるので、体に良いからといって食べ過ぎると、せっかくとった水分が汗ではなくおしっことして体外に出てしまうことになります。おしっこで水分が多量に排出されたと感じたら、ミネラル入り麦茶などでも水分を補給しましょう。 |
4.排出されないが、飲んでしまう
特に運動はしていないのに、熱中症予防のために積極的にスポーツドリンクを飲んでいる方は注意です。この飲料は健康的な印象がありますが、一般的なスポーツドリンクは100mlあたり25kcalほどのカロリーがあります。一日に2リットル飲んでいる方は、これだけで500kcal取っていることになります。ちなみにコーラは45kcal/100mlです。
カロリーを消費せずにペットボトルを飲んでいる方は、血糖値が上昇し、さらに喉が渇き、ドリンクを飲んでしまうという悪循環に陥ります。そうするとさらに高血糖の状態が続き糖尿病の原因となるのです。急性的に意識を消失したり重篤な状態となり得ますので十分に注意なさってください。これをペットボトル症候群といいます。
カロリーがなければ良いかというとそうでもなく、「ゼロカロリー飲料でも痩せることに繋がらない理由」について、以下の記事でその理論をご紹介しています。
低カロリーなら何を食べてもいいの?カロリー摂取量の誤解を解く!
一方で、運動をする際に水やお茶だけを飲み続ける方もいます。これにより体内のミネラル量が不足すると血液中のナトリウムが不足し、危険な状態になることがあります。アスリートは適宜スポーツドリンクや食事でミネラルを補給するようになさってください。
5.冷えた体を温めていない
代謝を低くする「クーラー環境」は、冷房病を引き起こし体調を壊す原因にもなります。夏は人体は自然に熱を放出しようと毛穴が広がりがちになっています。ここでクーラーで冷やすことにより、思った以上に体が冷えてしまうことがあります。
また外出先と部屋の中の温度差が激しく、このことでも体温維持や発汗機能に関わる自律神経系が変調を来してしまうのです。足腰の冷え、足のむくみ、だるさ、肩こり、頭痛、食欲不振、神経痛、下痢、不眠といった症状が現れるようになります。
夏バテだからといって冷たい食べ物やシャワーのみで済ませ、またクーラーのいる部屋に戻ってしまう。これでは代謝は上がりませんし、自律神経の失調を加速させることになります。
脳神経内科医の長谷川嘉哉先生は、そのような方がたまにかく不健康な汗を「ベタベタ汗」といって警鐘を鳴らしています。
サラサラ汗とベタベタ汗の違いは、汗腺の働きに左右されます。
汗腺は身体に必要な塩分とミネラルを血液に再吸収させる働きをしています。
しかし、汗腺の機能が低下すると塩分やミネラルが再吸収されずに汗と一緒に出てしまいます。
そして、その汗に含まれている塩分やミネラルが蒸発しにくいため、
ベタベタや臭いの原因になっているのです。
ベタベタ汗は悪い汗であるため、蒸発しにくく、不快感なだけでなく、体温調節が非効率になります。(出典:長谷川嘉哉のブログ〜転ばぬ先の杖〜「サラサラ汗とベタベタ汗」)
運動し、保温し、よく汗をかくことで汗の質がサラサラに変化していくのです。
6.夏太り対策法
ダイエットのためにはカロリーコントロールも重要ですが、夏に太らないためにはやはり運動することが大事です。とはいえ少し動くだけでも汗が吹き出す季節。熱中症にも注意しなくてはなりません。以下のような方法をおすすめします。
・早朝に運動する。(夜よりも朝の方が涼しいです。日の出が早いので早朝でも明るい中運動することができます)
・プールを利用する。(同じ気温でもプールの中に入っていると暑さを感じにくいです。紫外線の浴びすぎを避ける意味では室内プールがおすすめです)
・ジムを利用する。(クーラーが効いているので、激しいトレーニングを行なっても爽快な汗をかくことができます。パワープレートがあれば、ウエイトトレーニングを行わなくても全身の筋肉に刺激を入れることができます。公共の施設もおすすめ)
・パワーヨガ、ホットヨガの教室に参加する。(筋トレと瞑想を連続して行うようなものが前者、暑い環境で行うのが後者です。汗をよくかくので終了後は、かえってスッキリします)
・ぬるめのお風呂に長く浸かる。(じんわりと汗をかくことで代謝が向上します。サウナの利用もおすすめです)
7.まとめ
夏太りの原因と対策をご紹介しました。暑い夏だからといってクーラーの効いた部屋に閉じこもってばかりいると、体重増の原因になるばかりか、体調を悪くすることにも繋がります。
サラサラ汗体質を目指してなるべくカラダを動かすようにしましょう。水分補給はこまめに行い、熱中症予防にも注意なさってください。
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