猫背は筋トレだけじゃダメ!猫背を根本解決する3つの方法

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猫背が原因で引き起こされるカラダの不調は、腰痛や肩こり、首のだるさや目の疲れなど様々です。
ジョギングしてみたり、フィットネスクラブへ通って運動したけれども、一向に改善する気配がない。

もしかしたら、そのトレーニングがカラダに悪影響を及ぼす原因になっているかもしれません。
猫背を改善するためには、トレーニングに取り組む前にストレッチやカラダの歪みを整えることが先決です。

今回は猫背と筋トレの関係性についてお伝えします。
猫背解消のために筋トレをしようかと考えていた方もぜひ参考にしてみてください。

この記事は石塚利光が監修しました。

日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著)


1.猫背での筋トレはケガのもと

多くのメディアで紹介されている猫背改善筋トレは、背中やお腹の筋肉を強化するものが多いようです。確かに、筋トレをすることでうまく使えずにいた筋肉が動かせるようになるかもしれません。

しかし、猫背のままでトレーニングを行うことは重大なケガのリスクがあるのです。その理由をここではお伝えします。

1‐1.頭の重さが首や背中に負担をかけている

頭の重さは、成人平均で約6kgもあります。この重さをあなたは首だけで支えているのです。猫背姿勢は、頭部が前に出た状態ですから、知らぬまに首や肩、背中に負担をかけ続けているのです。

このような状態で筋トレを行えば、カラダが悲鳴を上げるのも無理はありません。

 

Backache

 

つまりトレーニングは、正しい姿勢で行わないとケガのもとになるのです。トレーニング時には猫背姿勢になっていないか、フォームを意識して行うようにしましょう。

1‐2.偏った筋トレが猫背を引き起す

反対に筋トレや運動を十分に行っているにもかかわらず、猫背姿勢になる方もいます。それは、胸の筋肉やお腹の筋肉が偏って鍛えられている場合です。

「誰にでも誇れるカラダづくりをしたい」「引き締まった体つきはかっこいい」とカラダに興味を持ち、筋トレをすることはとてもいいことです。しかし、偏った筋トレを続けていくとカラダのバランスが悪くなり、カラダの一部に極端に負荷をかけてしまいます。

その結果、負荷のかかった部分が痛み出したり、猫背などの悪い姿勢になるのです。バランス良くトレーニングすることを意識しましょう。 

1‐3.筋トレだけでは姿勢は改善しない

筋トレのメリットとして、姿勢の保持に効果的であるとよくいわれています。実際に姿勢の保持やバランス能力との関連性はあると言われています。

しかし、姿勢を改善するために筋トレをすることは、筋トレをしないことに比べて優位性がないことが研究として発表されています。姿勢の変化自体に筋トレは直接的な関係性がないといえるでしょう。

参考:姿勢保持と筋肉についての研究 http://ci.nii.ac.jp/naid/130004584712 

筋トレ


2.猫背改善のために今からできること

猫背を改善するためのステップは、以下の通りです。

・カラダのゆがみや筋肉の張りをストレッチでほぐす。
・筋肉がほぐれた状態で正しい姿勢を意識する。
・正しい姿勢を意識した状態で筋トレを行い、姿勢保持できる筋力を獲得する。

ここでは各々のポイントについて詳しくお伝えします。

2-1.習慣によるカラダの歪みや筋肉の張りをストレッチで改善

ここでは胸のストレッチについてご紹介します。胸まわりが硬いと、肩が前に出る原因に繋がるからです。

胸Stretch結合

エクササイズ方法:

背中で両手を組みます。組んだ両手を遠くへ伸ばし、胸を軽く張りましょう。肩の緊張感を抜いて肩甲骨を意識的に動かしましょう。

手を組んで引っ張るとどうしても肩に力が入ってしまう場合、手を内側に捻り、手のひらを外側に向けて伸ばすと胸が伸びます。

ゆっくりとした自然な呼吸で20〜30秒かけてストレッチを2セットしていきましょう。
また、ストレッチを効果的に活用する方法として、カラダの疲れが楽になる!効果バツグン猫背ストレッチ5選では猫背改善ストレッチの詳細をお伝えしています。

2-2.良い姿勢を心がける

崩れてしまった姿勢を改善するには良い姿勢を意識することがとても大切です。良い姿勢のポイントは次のようなものです。

 

姿勢2前から見て
①左右の足首の中間点
②左右の膝関節の中間点
③恥骨
④剣状突起
⑤上唇
⑥眉間 が垂直の一直線上にある。

姿勢側面

①外くるぶし
②膝関節のやや前方
③もものつけね外側の骨(大転子)
④肩の中央
⑤耳の穴が一直線上にある。

頭からおしりまでが一直線上にあることを意識してください。
猫背などの悪い姿勢は放置しておくと腰痛や肩こりなどの症状を起こしやすくなります。正しい姿勢を意識しましょう。

2-3.筋トレは姿勢の保持に役立つ

姿勢を保持するためには筋トレをすることが大切です。
意識的に正しい姿勢をとることまで出来るようになったら、最後にその状態をキープ出来るように筋トレをしていきましょう。

ここでは、猫背の人が上手に使うことができない部分を補うための3つのエクササイズをお伝えします。どれも大事なトレーニングですのでぜひ実践して姿勢保持に役立ててください。

1.バックエクステンション

まずは、胸周りの柔軟性の向上と背中の筋肉をトレーニングしましょう。

肩に力を入れないようにエクササイズを行うことがポイントです。

エクササイズ方法:

バックエクステンション

写真のようにうつ伏せ寝の状態でバンザイをします。

タオルを持ち腕を遠くへ離すようなイメージで引き上げ、胸のあたりまで床から上半身を持ち上げます。持ち上げた状態で3秒キープし、ゆっくりと元に戻ります。

これを10~15回繰り返します。
※10回できない場合は無理のない程度で出来るところから始めて回数を伸ばしていきます。

また、タオルの代わりにストレッチポールを活用すると、肩に無駄な力を入れること無く効果的にトレーニングを行うことができます。

2.ローイングエクササイズ

続いて猫背姿勢で開いてしまった肩甲骨をもとの位置へ戻すトレーニングです。

日常生活の中であまり意識的に肩甲骨を動かす意識をすることがない方は、肩甲骨がまずは動いていることから感じていきましょう。

エクササイズ方法:

両手を胸の高さまであげます。

P1130181
肘を外側に曲げ背中の方へと引き寄せます。

P1130194

この時肘と手のひらが床と平衡になるように意識して引き寄せます。

P1130187

肩甲骨が内側により、胸の筋肉が伸びているのを感じましょう。

ゆっくり自分のペースで10~15回繰り返しましょう。

3.トランクローテーション

最後は固まってしまった胴体部の筋肉を動きやすくします。
腰を動かさず胴体を意識して動かしていくことがポイントです。

エクササイズ方法:

肩と手のひら・膝とももの付け根が床に垂直になるようにして四つ這いになります。

P1130202

右手の甲を背中に当てます。腰が動かないように注意しながら左右にカラダをひねって行きます。

P1130205

ひねるポイントはひねるほうの肩甲骨を内側に寄せるようにして動きをリードすることです。

トランクローテーション
痛みは我慢せずに自分の出来る範囲で左右10~15回行いましょう。

上記のトレーニングをまずは1週間続けてみてください。はやい方で効果を1週間で実感し始めます。ぜひトライしてみてください。

3.まとめ

猫背を改善していくためには、

・偏った筋肉をストレッチでほぐすこと。
・ほぐした状態から正しい姿勢をとること。
・正しい姿勢をキープするために筋トレをすること。

の順番で行うことです。

カラダは日々の生活の中で歪みや筋肉の緊張を引き起こします。
日常生活の中でできた偏りを感じ、ほぐしていくことから始めましょう。

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