イデデデデデデ!
昨日、少々張り切ってしまいましたね。予感どおりに今朝から筋肉痛。がんばった結果の勲章でもありますが、ふだんと同様の動きにも困るという状態ではなんとかしたいものです。
実は筋肉痛はそのメカニズムがまだまだ分からないことばかりです。またアイシングやマッサージなどの方法が勧められることが多いのですが、実は誰にでも有効な方法もまだ発見されていません。それはなぜなのでしょうか?
そこでこの記事では、筋肉痛について詳細な解説をしている海外の専門記事を参考に、筋肉痛の治し方の謎について解説いたします。エビデンスがないものばかりですが、自分には有効である場合もありますので、筋肉痛に対してなにか行いたい!とお考えの方はぜひ参考になさってください。
※この記事は、筋肉痛に関するエビデンス(研究発表)を頻繁にアップデートしている「Delayed Onset Muscle Soreness (DOMS) 〜The biological mysteries of “muscle fever,” nature’s little tax on exercise」(https://www.painscience.com)を参考にさせていただきました。
※ここでは一般的な筋肉痛について解説します。肉離れの可能性を感じる方は、別記事「肉離れ時のストレッチはNG!最短回復法と予防運動6選」をご参照ください。
目次
1.筋肉痛とは
ふだん使っていない筋肉を激しく使った(鍛えた)後、修復時に起きる筋肉の痛みです。どのような方でも慣れていない運動をした後は起こる可能性がある一般的な痛みの症状です。
身体のほぼすべての部分に筋肉組織があるので、どこの部位にでも起こりえます。
運動後、数時間〜数日以内に起こる遅発性筋肉痛(ちはつせいきんにくつう)が一般的な筋肉痛で、安静にしておけば遅くとも1〜2週間以内に改善します。
肉離れや運動直後に鋭い痛みを感じ持続する場合は、整形外科をただちに受診なさってください。
2.筋肉痛の原因とは?
よく発生する痛みの症状ですが、そのメカニズムはほとんどわかっていません。刺激物質やATP、乳酸の関係が言われていますが、刺激物質やATPに関してはまだわからないことが多く、乳酸についてはほとんど否定されています。
唯一、ふだん慣れていない動きを行ったり、過度な負荷をかけることによって起きることだけははっきりわかっています。
また、「筋肉の収縮のうち、伸張しながら力を発揮する“エキセントリック収縮”が筋肉痛を引き起こしやすい」という説がありますが、一般的な運動は、さまざまな筋肉によるエキセントリック収縮とコンセントリック収縮がセットになっており、エキセントリックだけのものは皆無といえます。
ただ、エキセントリック収縮でも、速いスピードをかけて行うほうがより負荷が高まります。これは動きを止めるために筋肉が伸びながら短い時間で力を発揮しなければならないからです。
自体重によるスクワット動作を例にすると、ゆっくり往復する方法とできる限り素早く行う方法では、カラダに対する負荷が圧倒的に違うことはお分かり頂けると思います。同じ負荷であればゆっくり行うほうが筋肉痛を防げることとなります。
また、筋肉の成長と筋肉痛は関係がなく、筋肉痛が起きなくても筋肉を成長させることは可能です。
年齢と筋肉痛が起きるまでの時間も関係がありません。つまり、「年を取ったから筋肉痛が2〜3日後に出る」という言説にも疑問符が付きます。ただ加齢によりスピードが落ちて、その結果負荷が弱まり、発生までに時間がかかると考えることはできるかもしれません。
3−6.筋肉痛ストレッチ
凝り固まった筋肉をほぐす方法がストレッチです。ストレッチをすることで筋肉痛の緩和を感じる方もいますし、感じない方もいます。
■肩の筋肉をほぐすストレッチ
腕を写真のようにカラダの前でクロスさせます。この時両ヒジを重ねるイメージです。片方のヒジを曲げ伸ばしている腕が床と平行になるように持ち上げます。ヒジを曲げている手の方に引っ張るようにしてストレッチをしましょう。自然な呼吸で左右30秒ずつ伸ばしましょう。
それ以外の部位については、別記事「筋肉痛ストレッチ・お困りの方は試してほしいストレッチ5選」にてご紹介しています。
3−7.セルフマッサージ
また、自分では気づきにくい筋肉のコリを見つけてほぐす方法がツールを活用したセルフマッサージです。当ブログを運営する㈱LPNが製造販売するストレッチポール®を使うと、簡単に体重を預けるだけでセルフマッサージをすることができます。
マッサージも、行っている時に筋肉痛緩和の効果を感じる方もいますが、感じない方もいます。マッサージ中はいいが、終わった途端に痛みを再度感じ始めることも少なくありません。
■左:肩と胸の付け根周辺/ 右:脇と背中の境界の筋肉
写真の通りに、いろいろな部位にストレッチポール®を当てて、軽く体重をのせていきます。、ゆっくりロールしながら圧力をかけていってください。目安としては1秒に3センチ以内のスピードです。コリと痛みのある部分を見つけたら、3〜5秒間停止しじんわり圧をかけたまま、リラックスしてください。その後またロールを開始します。5〜30秒後に痛みが軽減するような感覚がベストです。
他部位については、別記事「必見!筋膜リリースをツールで効果的かつ安全に行う最善方法」をご参照ください。
4.クルクミンが筋肉痛に有効?
クルクミンはウコンなどに含まれるポリフェノールの一種で、天然の黄色色素成分です。このクルクミンが筋肉痛に嬉しい作用を及ぼす研究結果が、参照元記事で紹介されていました。
2015年の調査で、クルクミンは痛みの大幅な削減に有効な結果を示した。これは非常に痛い脚の筋肉痛を持つ17人の男性による実験の結果である。Delayed Onset Muscle Soreness (DOMS) 〜The biological mysteries of “muscle fever,” nature’s little tax on exercise
確かな効果については、今後の多くの研究を待たねばなりませんが、この記事の筆者は非常に希望が持てるニュースだとしています。クルクミンは一般的な健康食品ですので、簡単に手に入ることができます。筋肉痛でお困りの方は試してみてはいかがでしょうか?
5.筋肉痛は定期的なトレーニングで防ぐ
もうこんな痛みはこりごりだ、という方にオススメなのが、筋トレです。
筋肉痛を引き起こすのは、慣れない運動をしたか、ふだんとは比べ物にならない極度な負荷がかかったか、ですから週に2〜3回は筋力トレーニングを行うようにします。
例えば綱引きを行ったあとは、腕や背中、太ももやふくらはぎが痛いのではないでしょうか。握力を使った手のひらに痛みや疲労を感じる方もいます。ふだん鍛えていない結果ですので、これを機に来年に向けてトレーニングを開始してはいかがでしょうか。
ご自宅でできる簡単で効果的なトレーニングの一つが、チューブトレーニングです。以下の記事で詳細な方法をご紹介しています。
定期的に鍛えることで、筋肉のすみずみまで毛細血管が発達します。このことも筋発達を相乗的に促し、疲労物質は排出されやすくなり、結果的に疲労に強い体質を得られると考えられています。
6.急な運動以外で起こる筋肉痛もある
次の疾患などの症状として筋肉痛が発生する場合があります。激しい運動に心当たりがなく、何日も痛みが続くようであれば主治医に相談なさってください。
・風邪
・インフルエンザ、ポリオ、細菌感染などの感染症
・全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、多発性筋炎などの自己免疫障害
・HMG-CoA還元酵素阻害薬、ACE阻害剤などの特定の薬物の使用
・甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症などの甲状腺疾患
・低カリウム血症(低カリウム)